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保有企業の所感

①昨今の市場について ②投資企業に対する所感 ③終わりに  バリュエーションを重視するバリュー投資家としては、昨今の株下げは非常にありがたい状況です。 一方、リセッションやインフレ、戦争など、非常に先を見通すことが難しい状況でもあり、 人によって判断が分かれる難しい相場でもあると考えています。 個人的な事情を申しますと、私が一番得意なセクターであるハイテクは特に2021年、何をどう考えてもそのバリュエーションを正当化できない状況でした。 ただし、昨今の金利による割引率上昇に起因するグロース下げにより、ようやく私でも手を出せるような企業がちらほら出てきておりまして、個人的にも幾分かはやりやすい状況になっています。 もちろん、金利低下がしつこくグロースファクターのアウトパフォーム及び、バリュー投資家たちを嘲笑ってきたように、 今の状況は、ハイテクの長いトンネルの入り口である可能性も考量しなければなりません。 そういった考えのもと、Beexやデジタルタービン、イントラストへの新規投資を進めてきた結果、 年初来 0.2%(円建て・入金を除く)というパフォーマンスとなりました。 為替と投資タイミングが円建てのリターンを押し上げた一方、私の投資企業選定がリターンを下げました。 投資企業についての所感ですが、ストゼロを飲んでおり、そのすべての所感を書き終える気力もないので、思いつく企業から順に力尽きるまで書いていきます。 ・APPS デジタルタービン アプリケーションのプリインストール及び、広告を支配する企業であり、 GoogleやMetaあるいはAmazonに次ぐ広告業界の帝王になる可能性を秘めている企業であると私は考えています。 アプリケーションのプリインストールとは、スマホを買った時点でデフォルトでアプリケーションがついてくる状態で出荷するということです。 通常、ユーザーはアプリケーションストアから好きなアプリをDLしてきますが、プリインストールされているアプリはワンタップでDLされます。 アプリ作成者から見れば、インストール率の上昇 ユーザーからすれば、DLの手間削減(例えばTwitterなんて最初からスマホにプリインストールされていたほうが楽じゃないですか(ツイ廃)) スマホメーカーからすれば、アプリ作成者からお金をもらい、スマホ作成の付加価値+αの収益を生み出せる A

Beexの投資判断①

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 流動性の問題により、企業名非公開とさせていただいておりましたが、よくよく考えると岐阜さんのイナゴなんていないように、私のブログが株価を左右するなんてことはないと思うので今回企業名を出しました。 投資家たるもの、100の言葉よりも1のポジションだと思います。 企業名を伏せて考察を書くのもはばかられました。 目次 ①Beexとは? ②ERPについて ③今後 さて、Beexですが、最も売れているERPであるSAPのクラウドインテグレーターです。 といっても、この一文で理解できる人は少数でしょう。 企業に投資するにはまずビジネスを理解することが必要です。 この記事ではERPについて解説していきます。 EPRとは基幹システムの一つです。 例えば製造業では以下の順序を経て企業活動(とても簡略化しているので製造業に勤めている方は気を悪くされないでほしいです)を行います。 ①営業が顧客より受注を勝ち取る ↓ ②生産管理者が営業がとってきた受注に対して、必要な物を必要なだけ、納期に間に合うよう作れるような計画を立てる ↓ ③物を作るために必要な資材の手配、及び協力工場への外注を行う ↓ ④現場の方が物を作り顧客へ出荷 ↓ ⑤一連の業務で発生する仕訳から最終的にPL BS CFを作成する この一連の流れを見ますと、営業と工場の現場の方の業務内容が全く違うように、 それぞれの業務システムにおいて、求められる機能も異なります。 よって多くの企業では、営業が使うシステム、生産管理が使うシステム等々、業務によって使うシステムが分かれています。 そして、その別々のシステムをうまくつなぎ合わせて日々の業務活動を行っています。 それに対するERPは、それら業務システムがすべて一つのソフトウェアとなっています。 営業は会社Aのソフト、生産管理は会社Bのソフト… といったように、業務ごとに融通の利く基幹システムを選定できる分、個々の業務レベルで見た場合、ERPよりもそれぞれのシステムをつなぎ合わせて運用するオペレーションに軍配が上がります。 一方、システムが別々に分断されている分、システムのつなぎ目で無駄にオペレーションが発生することがあります。 例えば営業システムと生産管理システムのつなぎ目では、 営業システムで受注を登録して、同じ内容を生産管理システムでも登録して… といった二重入力が往々にして発