Beexの投資判断①

 流動性の問題により、企業名非公開とさせていただいておりましたが、よくよく考えると岐阜さんのイナゴなんていないように、私のブログが株価を左右するなんてことはないと思うので今回企業名を出しました。

投資家たるもの、100の言葉よりも1のポジションだと思います。

企業名を伏せて考察を書くのもはばかられました。


目次
①Beexとは?
②ERPについて
③今後



さて、Beexですが、最も売れているERPであるSAPのクラウドインテグレーターです。

といっても、この一文で理解できる人は少数でしょう。

企業に投資するにはまずビジネスを理解することが必要です。

この記事ではERPについて解説していきます。

EPRとは基幹システムの一つです。






例えば製造業では以下の順序を経て企業活動(とても簡略化しているので製造業に勤めている方は気を悪くされないでほしいです)を行います。


①営業が顧客より受注を勝ち取る

②生産管理者が営業がとってきた受注に対して、必要な物を必要なだけ、納期に間に合うよう作れるような計画を立てる

③物を作るために必要な資材の手配、及び協力工場への外注を行う

④現場の方が物を作り顧客へ出荷

⑤一連の業務で発生する仕訳から最終的にPL BS CFを作成する




この一連の流れを見ますと、営業と工場の現場の方の業務内容が全く違うように、

それぞれの業務システムにおいて、求められる機能も異なります。

よって多くの企業では、営業が使うシステム、生産管理が使うシステム等々、業務によって使うシステムが分かれています。

そして、その別々のシステムをうまくつなぎ合わせて日々の業務活動を行っています。


それに対するERPは、それら業務システムがすべて一つのソフトウェアとなっています。





営業は会社Aのソフト、生産管理は会社Bのソフト…

といったように、業務ごとに融通の利く基幹システムを選定できる分、個々の業務レベルで見た場合、ERPよりもそれぞれのシステムをつなぎ合わせて運用するオペレーションに軍配が上がります。

一方、システムが別々に分断されている分、システムのつなぎ目で無駄にオペレーションが発生することがあります。

例えば営業システムと生産管理システムのつなぎ目では、

営業システムで受注を登録して、同じ内容を生産管理システムでも登録して…

といった二重入力が往々にして発生します。

一方、ERPでは業務の頭からお尻まですべて同じソフトウェアであるため、システムのつなぎ目が存在せず、

先ほど挙げたような、つなぎ目部分での無駄なオペレーションが発生することはありません。



現場レベルでメリットを見てきましたが、経営者視点で見ると異なるERPのメリットが見えてきます。

それが情報のリアルタイムでの一元管理です。

経営判断を下すには、それに伴う情報が必要不可欠です。

例えば、うちの会社に仕掛在庫はどれくらいあるか?

といった情報を把握したい場合、

ERPではリアルタイムでその情報を確認することができる一方、

個々のシステムをつなぎ合わせた運用では、

システムのつなぎ目とつなぎ目の間の情報伝達に時間がかかり二週間遅れて情報が送られてくる

といったことがあります。



また、昨今デジタルトランスフォーメーションという言葉バズワードとなっていますが、

AIにしろIoTにしろ、その根幹となるのは情報です。

今世紀の情報は石油だ という言葉も耳にする機会が多いと思いますが、

情報を分断せず一元管理できるERPへの投資を、デジタルトランスフォーメンションの第一歩とする企業が増えている印象です。



そういった事情から、日本のERP市場は成長市場となっています。


引用:https://www.itr.co.jp/report/marketview/m22000600.html





ここまで一般的なERPとその成長性について述べてきました。

ERPの中の一つであるSAPは固有の事情を抱えており、現在特に需要が高まっています。

次の記事では、SAP固有の問題について考察していきます。



また、市場全体が成長しても、それが一企業の利益につながる事とは別の話です。

例えば、成長産業であるクラウド一つをとっても、Amazonやマイクロソフトが飛躍する一方、

第五位のIBMの現状を鑑みれば、成長市場に参入することがすなわち企業の利益ではないことがわかります。

また、葬儀業界や介護業界など、誰がみても需要の追い風は明らかである一方、

業界の構造的な問題でなかなか成長できない業界もあります。

三番目の記事では、BeexのERP業界での立ち位置と、本当に儲かるのか?という点を考察してきます。



どんなに素晴らしい企業でも、とてつもないバリュエーションで購入しても投資家は報われません。

一方、たいして成長しない企業についても、バリュエーションが良ければリターンを生み出してくれます。

四番目の記事では、Beexのバリュエーションについて考えてきます。




本日の参考文献です。

FE風花雪月無双のため私は今生きながらえています…





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