Twitterの一連の騒動をみて思ったこと

Twitterを見ていると最近よくあの方とあの方のやり取りを見ますので、

それを見て思ったことを書いていきます。


ファンダメンタル投資家というのは、あの手のこの手で企業の価値について考えていくわけですが、

その中で 


ROIC(投下資本利回り) > WACC(資本コスト) こそが企業が創造した価値である

という考え方あります。


こうやって横文字にすると何か難しい響きに見えますが、

要は借りたお金よりも稼ぐことが企業の価値であるということです。


例えば100万を利率4%で借りたとして、事業で3万稼いだとしたら

確かにお金を稼いでは入るんですが、その事業やる意味ないじゃないですか

だって資本コスト4%に対して 投下資本利益率3%しか稼いでいませんもの

1%の赤字です。

こうやって書くとすごく簡単な話になりますが、ややこしいのが株主資本コストです。

WACCには大体二つのコストがあり、それが債権者に対する資本コストと、株主に対する資本コストで、

債権者に対する資本コストはわかりやすいと思います。

ようは借りたお金に対して利子をつけて返せということです。


株主に対するコストですが、例えば無配企業の場合、企業から株主に対して支払われるお金はありません。

では株主はボランティアで無償でお金を企業に提供しているのでしょうか?

そうではありませんよね

それ相応のキャピタルゲインを求めて投資しているわけです。

そして、その株主が求めている利益こそが株主資本コストです。


なので、損益計算書上は黒字であっても、株主資本コストを考えると事業価値なし

みたいな企業は往々にしてよくあることで、

そういう企業はだいたいPBR1未満、つまり事業価値なし

という評価を市場から受けるわけです。



ではよし分かった

ROICとWACCが大事なんだな。高ROIC企業をスクリーニングして投資しよう!!

といった感じで儲けることができれば苦労はしないのですが、実際はもっと大変です。

高ROICがこの先も高ROICであり続けなければ儲からないのです。

で、高ROIC企業というのはつまるところ効率よく儲けてる企業ですからそこには当然競合がわらわらわいてきます。

それを跳ねのけて価値を生み出し続けることができるか?

という命題について考えていかなければなりません。

そこでその企業のビジネスモデルやソリューション、競合について勉強し数字の裏付けを考えていくのですが、

それこそがファンダメンタル投資家の腕の見せ所だと思います。



それで勉強した結果、まあこの企業は良さそうだ!となると

企業が生み出す価値α に対してβ(企業の業績とは関係なく投資家の心理で動く株価)を考慮して

3年先までの期待年利利回りは標準偏差20 として ±20/√3 ≒ ±11.5%  そしてαの〇 ~ 〇〇%で

期待リターン -〇% ~ 〇〇% みたいに数字を転がすわけです。

ただこの数字転がしが難しいもので、例えば成長率10%と見積もっていても

たまたま大口の受注が入ったとか、たまたまPJが遅延して3月に売りが上がるものが4月に上がったとか

新規ビジネスが全然うまくいかない or うまく行き過ぎた など想定した数字通りになることはまれです。

そうなると期待リターンも変わるので、数字転がし通りのリターンになることは少ないです。

こういった理由から期待リターンに何の意味もないんじゃないか

とおっしゃる方もいますし、私も基本的に同意です。

ただ、期待リターンの裏付けとなる数字

例えば成長率10% とするならば 成長率10%の裏付けとなる ソリューションの特性や需要 ビジネスモデルについて調査したり考えたりする必要があるわけで、
その過程こそに意味があるものだと私は考えています。

そういうことをしておけば、市場のボラティリティに惑わされることなく、売ってはいけない場面で売ったり、逆に売らなければならない場面でホールドし続けたり

そういった誤った判断を行う確率が下がり、それが結果として利益を生み出すのではないでしょうか。


そんなことを考えながら、Twitterのやり取りを楽しく拝見させていただいておりますm(__)m


この記事を書くにあたって参考にした書籍です。






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