取り立て屋は儲かる

 株価も世界もやべーことになって退場寸前ですが、こんな時だからこそせっせと色々な企業について勉強しています。

その中で面白いビジネスだった思ったのが家賃保証という名の取り立て屋です。



取り立て屋ってめちゃくちゃ儲かるんですよ。

例えば取り立て屋の一つ あんしん保証 のROEは31%

これがどれだけ儲かっているかというとGoogleのROEが今34%程度です。

かなり乱暴な議論にはなりますがつまり

取り立て屋はGoogle並みに儲かるんだ




では家賃保証ビジネスとはどういうものなのか?

不動産貸主・不動産仲介業者・借主の三者にはそれぞれの思いがあります。

賃貸人:空き室を埋めたい。しかし賃料を延滞されれば困る。


不動産会社:仲介手数料を取るために入居させたい。だから入居希望者が部屋を貸すに足る信用がある事を説明したい。


入居希望者:入居したい。だから部屋を借してもらえる信用が自らにある事を証明したい。


そこの間に立つのが家賃保証会社で、入居者から金をもらい、入居者が滞納した場合でも貸主にお金を立て替えます。

お金の流れはこの通り


賃貸借主 

↓ お金を払う

保証会社  ↑ 家賃滞納したら取り立てる

↓ キックバックを払う・借主が滞納時家賃建て替え

不動産管理会社 

↓ 保証会社から建て替えられたお金を振り込む

大家さん




これとんでもねえビジネスですよね

保険というのは、保険料を払う人が万が一の時保証を受けるために払うものですが、

家賃保証というのは、大家さんが万が一の時保証を受けるために、借主がなぜか保険料を払っているんです。

大家さんには借地借家法という言い分もあるんでしょうが、賃貸に住む私としては悪魔のビジネスです。






・取り立て屋の今後

市場全体が二けた成長をしながら、しかもかなり効率的に儲かっている市場ですが、今後は今までのようにはいかないとみています。

成長の理由は、保証会社利用を借主に義務付ける不動産管理会社の割合が急増しているからですが、もう間もなく100%に近い数字となります。

そこから先は、賃貸物件の増減による自然減でしょう。

そしてモート。

自前の不動産を持ったりせず、家賃回収するビジネスですから、そんなに資本を必要としていない。

そして効率的に儲かっている会社がある。

となると当然そこに目をつけるライバルが出てきます。

例えばイントラスト

イントラストは大和ハウスグループ会社と提携し、保証事業を立ち上げましたが2017年

大和リビング「保証はうちでやるからあんたがたは必要ないよ。ただ取り立てはお前がやれ」


イントラスト「はい…」



という事件があり、うまい部分だけ吸われていきました。


また、「俺は頭がおかしいんだよ。だからやべーんだよ。輩と付き合いはたくさんあるけん」の文春砲でおそらく一番知名度のある保証会社Casa


この会社は販売手数料という名の不動産会社に払うキックバック料を公開しているんですが

そのキックバックがだんだんと大きくなり今現在も苦しんでいる途中にあります。

このキックバック競争も市場が飽和に近づけば近づくほど年々激化するでしょう。

(金払っているのは部屋の借主なのに、なぜかそこに対する競争ではなく、不動産会社にいかに気に入られるかの競争になっているのもこのビジネスのやべーところだと思います)




ただ暗い話ばかりでもなくなかなか面白ことをやってる会社もあります。

例えば医療。

医療と賃貸って保証ビジネス視点で見れば結構似ています。

賃貸は少し家賃滞納したからと言ってすぐさま追い出すことができない。

医療も同様に患者に金がないからと言って医療拒否することはできない。



そこで患者から金を回収する取り立て屋の出番です。

医療は医療機関 取り立ては取り立て屋

素晴らしいではないですか。

この市場も急拡大しており、近い将来第二の取り立て屋の収益の柱となるでしょう。






・まとめ


20年後を見れば、需要と供給の関係で借主の立場がより強くなり、

そうなったとき、こんな保証を受ける側が保険料を払わず、取り立てられる側が保険料を払っているというゆがんだビジネスが繁盛しているわけがないと思います。

しかし、そんな長期的なことは中期投資家の私にとってあまり関係ないことです。

モートと市場の飽和から今ほど明るい未来は見えないが、

今現在はすごく儲かっているし、次の成長の柱も見えている。

そして、バリュエーションを見れば、今はコロナショック並みになっている会社が多い!!!!

そんな安くて効率的に儲かって成長している取り立て屋に注目しています。






本日の参考文献はCasaの反社との付き合い疑惑の第三者調査資料です。

特に14ページ目の宮地社長の服が破れる流れは必見です。





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